SSブログ

原書を読むことの大切について [格言・名言集]

去年の12月に「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」という映画を見ました。
この映画の中で山本五十六と井上成美が三国同盟締結すべしという海軍部内の強硬派に対してヒットラーは日本人を劣等民族として見ており信用できる相手ではないと諭しているシーンがありました。

半藤一利著「聯合艦隊司令長官 山本五十六」では下記のように書かれているシーンです。

「ヒトラーは日本人を想像力の欠如した劣等民族、ただしドイツの手先として使うなら、小器用で小利口で役に立つ国民と見ている。彼の偽らざる対日認識はこれであり、ナチス日本接近の真の理由も其処にあるのだから、ドイツを恃むに足る対等の友邦と信じている向きは、三思三省の要あり、自戒を望む」
この通達が親ドイツ派の中堅将校たちをカッカとさせました。 「おれは『マイン・カンプ』をすみからすみまで読んだが、そんなことはどこにも書かれていなかった。局長はタメにする虚偽をわざわざいっているぞ」と、まくしたてる局員に、井上に近い同期生が笑いながらたしなめました。
「井上さんは原書で読んでいるんだよ」 日本語訳は、ヒトラーの露骨な日本蔑視、黄色人種への嫌悪感などがカットされていたのです。 さすがの猛者もギャフンとなって、それ以上の声はありませんでした。

原書を読むことが大切だということがよくわかるエピソードだと思います。
この事は我々医業経営コンサルタントにもあてはまります。

雑誌、新聞等の記事は編集者の考え方がかなり反映されています。セミナーもそうです。
良い例が平成16年頃の出資額限度額法人です。
セミナー、雑誌等がこぞってこれからの医療法人制度は出資額限度法人になると騒いでいましたが、私は当初から出資額限度法人はほとんどメリットのない制度だと主張し続けていました。
ちょうど三国同盟締結すべしという世論の中の山本五十六や井上成美のような感じです。
どうして私が他の意見に流されずに自分の意見をちゃんと持っていたかというと、厚生労働省の審議会や検討会を自分自身で傍聴したり、議事録を読んでいたからです。

上記以外にも間違った情報が多く見受けられます。
特にインターネットです。
インターネットでは簡単に情報を収集することができますが、その中には間違った情報や定説が多く含まれています。

法令、通達、審議会や検討会の議事録等を調べるのは大変ですし、時間もかかります。
しかし、自分で苦労して調べる過程で様々な情報や資料を手に入れることができます。
そして、苦労して手に入れた情報や知識は絶対に忘れませんし、意見がぶれることはありません。
私はこれを原典主義と言っていますが、プロフェッショナルと呼べる医業経営コンサルタントを目指している我々は絶対に原典主義を実践していかなければならないと思います。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0